千葉セクション問題

古関東深海盆ジオパーク推進協議会の基本姿勢 −「チバニアン」決定(千葉セクションのGSSP決定)の報道をうけて−

千葉セクション問題

古関東深海盆ジオパーク推進協議会の基本姿勢
−「チバニアン」決定(千葉セクションのGSSP決定)の報道をうけて−

2020年1月23日
古関東深海盆ジオパーク推進協議会

2020年1月17日に「チバニアン」が国際地質科学連合(IUGS)で決定されたとの報道がありました。
日本の地層が国際的にも注目を集めていますが、今回の「チバニアン」決定は大きな未解決の問題を抱えたままであり、後世に汚点を残すものになると考えております。

未解決の問題

古関東深海盆ジオパーク推進協議会(以下、本協議会という)は、千葉セクションのGSSPの申請にあたり、下記の科学倫理違反・研究不正(ねつ造、改ざん、盗掘)があると述べてきました。
○千葉セクションのGSSP申請の過程で催された2015年国際現地討論会でのデータねつ造・改ざん
○GSSP申請に関わる主要論文についての疑念
○データ用の試料採取における盗掘
本協議会は、これらの問題が明らかになった時点で、国内外(国際的には、GSSP審査に関係するIUGS、また国内においては日本学術会議IUGS分科会、日本地質学会、地球電磁気・地球惑星圏学会およびマスコミ関係者など)に広く報告し、千葉セクションのGSSP申請を取り下げるべきであるとの意見を主張してきました。
その後の経過において、申請者グループによる適切な対処は取られておりません。また、国際機関を含めた国内外においても、私たちが指摘した科学倫理違反・研究不正行為についての問題に対して何ら適切な解決がとられないままとなっています。唯一、本協議会がIUGSへ送付したコメントに対してIUGS委員長より「感謝」といった返答があっただけで、今回の決定となりました。

本協議会の今後の立場と主張

正しい科学の発展のために私達はこれまで通りの立場と主張を続けます。
今回千葉セクションのGSSP申請に関して明らかになった問題(科学倫理、研究不正)の真相究明を進め、再発防止策の探求に努めます。これまで千葉セクションのGSSP審査に関わってきた国内外の機関が、我々の主張を理解されていないことは非常に残念です。これらの各機関に本協議会の意見を引き続き強く訴えます。同時に、国内外の地質関連分野の専門家のみならず、一般科学者・研究者及び市民の方々に、この問題の真相と本来あるべき対応について理解を促します。

問題は地質科学分野だけにとどまらない

今回の千葉セクションのGSSP申請に関して起きた問題は、単にGSSP登録・選定という狭い範囲の事ではありません。これは科学倫理の問題にとどまらず、研究不正の問題でもあります。これらの問題による影響は、地質科学の分野に限らず、一般科学、教育全般、ひいては社会一般にも及ぶほど深刻です。つまり社会通念をも問いかけているのです。それゆえ、本協議会はこれまでと変わらず、これまで以上に一般社会に対して働きかけを強めていく所存です。
(なお、これまでの本協議会の対応の詳細については本協議会のホームページを参照してください。ホームページ:https://www.paleokantogeo.org/)